ボーンチャイナの製造工程

美しい食器の製造工程にはさまざまな工夫が凝らされています。土の塊がお皿やティーカップの形になり、最高級磁器ボーンチャイナ製食器が焼き上がるまでのプロセスを動画付きで解説します。

<この記事の目次>

整土

ボーンチャイナの主原料であるリン酸カルシウムや、長石、硅石、カオリン、蛙目粘土を混合粉砕し、真空状態になるように練って「坏土(はいど)」を作ります。

成形

製品の形に合わせて成形します。大きく2種類の成形方法があります。

ロクロ成形

円形のプレートやカップは、機械で回転するロクロによって形作られます。

鋳込み成形

複雑な形をした製品は鋳込み成形という方法で作られます。原料をそれぞれの形に合わせて作られた石膏型に流し込み、一定時間置きます。石膏が原料の水分を吸うことにより、型に沿った形に成形されます。

ロクロ成形と鋳込み成形を組み合わせて一つの製品を作る場合もあります。たとえばティーカップの本体部分は機械によるロクロ成形ですが、ハンドルは鋳込み成形で作られ、一つ一つ職人の手作業で本体に接着されます。

焼成1回目(締焼)

成形後、乾燥させた後で1回目の焼成をします。一般的な磁器と違って、ボーンチャイナはこの1回目の焼成温度が高いことが特徴です。水分を含んだ土は焼成により20%近く収縮するため、狙い通りの形に焼き上げるには高度な焼成技術が必要です。

釉掛(くすりがけ)

締焼された素地(きじ)に釉薬を吹き付け、直接火を当てて乾燥させます。

焼成2回目(釉焼)

釉薬が掛かった状態の素地を再度焼成します。この焼成により、素地の表面にガラスがコーティングされ、艶と光沢が生み出されます。

上絵付

ボーンチャイナの絵付には転写という手法が多く使われます。高い温度で焼くと発色する絵具で「転写紙」を印刷し、製品に1点ずつ手で貼っていきます。

焼成3回目(上絵焼成)

転写紙を貼った後で3度目の焼成をします。焼成することによって絵具がボーンチャイナの素地に焼き付きます。

金仕上

金液を一品一品手作業で塗っていきます。ハンドルの細かい線や均一な縁線など、職人技が光ります。

焼成4回目(金焼成)

金仕上の後で最後の窯に入ります。焼成により金液は鈍い茶色から輝く金色に変化します。

包装

焼き上がった製品は包装され、出荷されていきます。

工程紹介動画

NARUMIのマザー工場の一つでもある三重工場の生産風景をご紹介いたします。

まとめ

ここまで、ボーンチャイナの製造工程を10のプロセスに分けて解説しました。動画からわかる通り、機械化されている工程もありますが、職人の手作業で成り立っているところもいくつもあります。また、今回は大まかな流れだけをご紹介しましたが、実際の製造工程では途中で何度も検品をしたり、表面を研磨したり、細部まで美しく仕上がるように小さな点にも注意が払われています。職人が心を込めて作った食器をぜひ大切にお使いください。

ボーンチャイナの特徴や歴史については他のブログでも解説しています!

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